DESIGNER

Princeton University, USA
Galaxy, Byobu, 2022
Stage Art Work for Washitales, New York ,USA
Horizon, 2013

Kyoko Ibe (伊部京子)

伊部京子は、彼女は1970年代より、伝統的な和紙を現代芸術の表現媒体として革新的に用い始めた先駆者であり、今日では二次元の作品・インスタレーションや舞台美術で国際的に高く評価されている。

京都工芸繊維大学でデザインとデザイン理論を学び、修士課程を修了後、和紙を用いた創作活動を本格的に開始。当時、和紙は主に伝統工芸や書画の素材とみなされていたが、伊部は素材ならではの時間性、特異な美しさに着目し、新たな美の領域を切り開いた。特に、古紙を再生し、故文書をあしらった近年の作品群は、宇宙的な風景や自然の力を想起させるとともに、和紙が持つ歴史と精神性を深く表現している。

彼女の創作活動の初期には、Mid Century Modernのデザイン文化の中での影響も大きく、素材・構造・空間の関係を再解釈した作品は、その時代の革新的な空気を和紙という伝統素材に注ぎ込んだ。これらの初期作品は、現在再評価が進んでおり、当時の代表的作品をもとにした復刻版のリリースがAWA KOYORI Seriesである。

彼女はこれまでに20カ国以上で展覧会、ワークショップ、レクチャー、舞台作品の上演、国際審査員などを務めている。また、文化庁より文化交流特別使に任命されるなど、和紙の国際的な普及に尽力している。

代表的なプロジェクトとしては、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)で開催された個展「Washi Tales: The Paper Art of Ibe Kyoko」や、ニューヨークのアジア・ソサエティで発表された舞台作品「Recycling: Washi Tales」がある。これらの作品では、紙漉きの文化的・精神的遺産を物語るインスタレーションと演劇が融合し、観る者に深い感動を与えている。2023年にプリンストン大学ハーレーギャラリー、2024年に京都中信美術館で個展を開催。展覧会や、舞台芸術家とのコラボレーションを精力的に続けている

学歴・個展

1967年 京都工芸繊維大学工芸学部意匠工芸科大学院修士課程修了 工学修士

1998年 伊部京子展(I SPACE イリノイ大学ギャラリー/シカゴ・アメリカ)

2000年 Spirits and Nature (スコッツデール現代美術館/アリゾナ・アメリカ)

2002年 領土共有(ジョルジュ・ルースと2人展)(RUR現代美術センター/フランス)

2003年 伊部京子展(いの町紙の博物館/高知)

2005年 伊部京子作品展(美濃和紙の里会館/岐阜)

2007年 Indigenous Paper (マーク・ランダーと2人展)(コルコランギャラリー/ワシントンDC・アメリカ)

2008年 幽玄の世界(イリノイ大学クラナート美術館/シャンペイン・アメリカ)

2010年 和紙物語(ダーブ1718/カイロ・エジプト)

2011年 和紙物語;伊部京子の紙造 形(ロスアンゼルスカウンティ美術館日本館/ロスアンゼルス・アメリカ)

2013年 和紙物語(インガギャラリー/テルアビブ・イスラエル)

2015年 和紙物語(ビジュアルアートセンター/ドーハ・カタール)

2017年 和紙 物語;昔々(ストックトン大学ギャラリー/ニュージャージー・アメリカ)

2018年 2人展(エリック・トムセンギャラリー/ニューヨーク・アメリカ)

2022年 伊部京子作品展(マヤ・フローデマンギャラリー/ジャクソンホール・アメリカ)

2023年 和紙物語;伊部京子作品展(プリンストン大学ハーレーギャラリー/ニュージャージー・アメリカ)

2024年 和紙物語 伊部京子展(中信美術館/京都)

台美術

1987年 タンデビールカンパニー”The Time Falling Bodies Takes to the Light” サンフランシスコパフォーミングアートフェスティバル(パレスオブファインアーツ・アメリカ)

1998年 フェスティバル’98(イリノイ大学クラナート舞台芸術センター/アルバナ・アメリカ)

1999年 フェスティバル “New Art New World” (スカイライトステージ/シカゴ・アメリカ)

2000年 ユタダンスカンパニーのための舞台制作(マリオットシアター/ソルトレイク・アメリカ)

            桜幻想(長岡リリックホール/新潟)

2008年 能公演の舞台装置(イリノイ大学クラナート舞台芸術センター/アルバナ・アメリカ)

2011年 リサイクリング;和紙物語(イリノイ大学クラナート舞台芸術センター/アルバナ・アメリカ)

           リサイクリング;和紙物語(ロスアンゼルス・カウンティー

           美術館ビングシアター/ロスアンゼルス・アメリカ)

2016年 リサイクリング;和紙物語(アジアソサエティー/ニューヨーク・アメリカ)

2017年 リサイクリング;和紙物語(ストックトン大学アートギャラリー/ニュージャージー・アメリカ)

2023年 Felonアメリカ版和紙物語(プリンストン大学バーリンドシアター/ニュージャージー・アメリカ)

受賞

1980年 京都クラフト展 金賞(76年銀賞、77年銅賞)

1981年 京都デザインフォーラム 銀賞

1986年 京都工芸美術展 優秀賞

1988年 第4回イサドラ・ダンカン賞/ビジュアルデザイン部門賞(サンフランシスコ・アメリカ)

           第10回エイボン女性年度賞芸術賞

1989年 第1回京都府あけぼの賞

1990年 サンパウロ美術評論家協会賞(ブラジル)

1993年 第12回京都府文化賞功労賞

2002年 日本伝統文化賞

2012年 第25回京都美術文化賞

2019年 京都市文化功労者

出版物

1990/1996年 共著『和紙の手帖Ⅰ、Ⅱ』全国手すき和紙連合会

1997年 共著『現代日本文化論vol.5』岩波書店『木と水の予感』マリア書房

1998年 共著『高校3年現代国語教科書』大修館書店

2000年 編著『現代の紙造形』至文堂

2006年 共編著『紙の文化事典』朝倉書店

2013年 共編著『紙 昨日・今日・明日』思文閣出版

2019年 共 著『Papermaker’s Tears・vol.1』The Legacy Press,アメリカ

2023年 共著『The Way of Washi Tales』The Legacy Press, アメリカ

2024年 「和紙物語」The Way of Washitale 日本語版 クラフティブ電子出版

パブリックコレクション

ジョージア工科大学付属ロバート・C・ウィリアムズ製 紙博物館(アメリカ)

シカゴアートインスティチュート(アメリカ)

中信美術館(京都)

京都文化博物館(京都)

京都工芸繊維大学美術工芸資料館(京都)

イリノイ大学クラナート美術館(アメリカ)

美濃和紙の里会館(岐阜)

北ユトランド美術館(デンマーク)

ユタ美術館(アメリカ)

スコッツデール現代美術館(アメリカ)

ネルソンアトキンス美術館(アメリカ)

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